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七方よしとは?

「七方よし」の概念をもとにチョコレートを作っています、ブランド「Noel Verde(ノエルベルデ)」のオーナー、高橋力榮と申します。近江商人の「三方よし」という言葉は世の中に広く認知されていますが、「七方よし」とはどういうものなのか説明してゆきますので最後までご覧いただけると嬉しいです。



七方よしとは?


簡単に説明すると、自らの利益のみを追い求めるのではなく、「作り手」「買い手」「売り手」「社会」「自然」「生物」「未来」の全ての方向や分野でそれぞれにメリットがあり好循環があることです。


前提の「三方よし」

三方よしとは、「商売において売り手と買い手が満足するのは当然のこと、社会に貢献できてこそよい商売といえる」という考え方のことです。滋賀大学宇佐美名誉教授によれば、『売り手によし、買い手によし、世間によし』を示す『三方よし』という表現は、近江商人の経営理念を表現するために後世に作られたものとのことだそうです。自らの利益のみを追求することをよしとせず、社会の幸せを願う「三方よし」の精神は、現代のCSRにつながるものとして、多くの企業の経営理念の根幹となっております。




どうして3ではなく7なのか?


グローバル化が進んだ現代。三方のその輪に関わる人達、その地域自体がよりよく発展して行くために森林や土壌などの自然環境、微生物や昆虫を含めた動物、そしてこの先の未来という「七方よし」へ、考え方をシフトしていかないといけない時代に入りました。実際、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)も、そのような時代背景から生まれたものだと思います。



七方よしは何が良いのか?

サーキュラーエコノミーの考え方をベースに自然と共に持続可能な経済活動を行う。ゴミを減らすだけでなく、ごみを出さないことを目指す。このような循環型の経済へと世の中は大きく舵を切り始めています。


昔から存在している考え方である3R(以下)、

  • 天然資源の生産性向上を重視するナチュラル・キャピタリズム

  • モノではなくサービスを売ろうと提唱するパフォーマンス・エクノミー

  • シェアエコノミー

そして、資源循環型の工業生産方式「ゆりかごからゆりかごへ」(アメリカの建築家が提唱)、SDGsなどの新しい考え方が続々と生まれて来ていることから経済活動の変化を読み取ることができます。


使い捨ての消費活動から循環型の経済へ移行して行くこと、これはつまり「七方よし」そのものなのです。


七方よしを理念とするNoel Verde


「佳きものをはこぶ」

Noel Verdeのメッセージに「佳きものをはこぶ」というものがあります。好し、良し、善し、とそれぞれ違う漢字をあてるがよしがありますが、この佳しということばを辞書で調べると「すぐれていること。よいこと。美しいこと。」という説明が出て来ます。


かかわる全てと調和して出来上がる良いものを、私たちは「佳きもの」と表現いたします。それは七方よしのルートというフィルターを通過して私たちに届くもの。


カカオ豆やチョコレートだけでなく、それ以外の見えないもの、数値化できないもの、見えない美しさも含まれております。メダルや賞状だけでは表現できないものをそこに現そうと思っております。


Noel Verdeというあなたの緑色のサンタクロースがもたらしてくれるものは、きっと平和で自然でやさしくて、美味しいものに違いありません。そういうことで、七方よしはNoel Verdeという形をまとい、Noel Verdeは七方よしなのです。



七方よしの理想を求めて

環境に配慮し、ごみを減らし自然を残して行くことをすれば、動物たちや微生物の生態系が守られる。豊かな多様性に支えられた本来の姿の自然に戻し、汚染物質に汚された土を、微生物たちが分解し健全にし、空気を綺麗にして行く。すでに50%以下にまで減ってしまった動物や昆虫等の種の多様性は、もう取り戻せなくても、今現存する動物たちが産み、増えることが出来れば、この先、種の多様性が生れてくる可能性の土台になって行きます。  

持続可能な世界というのは今後の世界を生きる我々の子孫という未来の時間軸上においても恩恵があることだと思います。


7方よしの活動は、実はもともと一つであったものが、また一つになって戻って行くことに近いのでは、と思っております。江戸時代の日本の農業や、このエクアドルのアマゾン地帯にあるチャクラという森林農法 ”アグロフォレストリー”に近い農業は、多様性が保たれる良い影響下で環境が許容するなかで循環していたと言います。一つになっていたのだと思います。


野菜ひとつとっても、当時は味が濃くてとても美味しかったということも聞いたことがあります。Holistic全体性という言葉はギリシャ語で、「holos」を語源としています。そこから派生した言葉には、Whole全体、heal癒す、health健康、holy聖なる、等がありもともと「全体」に根差しています。


とどのつまりは、全体性とは一つながりの、良いバランスや関係に戻ることなのではないか、と思います。でも、全てが溶け込んでしまうのではなく、ちゃんと現代的なセンスの上で、それぞれの個性はちゃんと光らせながら。



七方よしと高橋力榮の関係性


私、高橋力榮は大学を卒業後、2年ほど海外遊学に出ておりました。イスラエル、スペイン、イギリスと見聞を深め、人を通じて出会ったのが、有機農業の世界でした。1999年頃の話ですが、世の中は世紀末を迎え、激動の時でした。


その中で、自分はこれだと想い有機農業の世界に身を投じることに。その後、エクアドルや日本で、さまざまな業種の方々や世界を見る中で、有機や原農薬の世界から七方よしをお届けするという具体的な形式を帯びて行くまでに至りました。70億にまで膨れ上がった人口をまかなうためには、有機農業の農産品だけでは足りず、慣行栽培の農業も不可欠であることは重々承知ですが、来たる次の世代に向けての新しいあり方と価値を提示して行きたいと考えております。


いつしか、この有機と慣行栽培の比率が、地球環境への負荷を減らす方向へシフトして行くことを願っております。



七方よしを胸に歩む

Think global, act localの精神で地球規模でみる農業生産を考え、我々だけで生きているのではなく、木々や森、土壌、海、それぞれの層で生息する微生物や動物たち全ても考えの中に入れるのが七方よし。


何億年も続く営みを出来るだけ絶やさずにその延長線上に立ち、これからも永続するホリスティックで健全な経済活動をして行きたい、なんていうのは頭がでっかちで誇大妄想でしょうか?でも、そういったことを目指す小さな会社が、この多様化した社会の中にひとつくらいあっても良いのではないでしょうか。


ひとりひとり、そして一つ一つの農業者、会社、企業は小さくても、それを佳しとして、真似をする人たちが増えてくると、いつか、どこかでメインストリームとしての流れが変わる時が、来るかも知れません。現代を生きる若い方たちにも、また本物志向の大人の方たちのお口にも合う、そういうほんとうに佳いものを作り出し、お送りしたい。そう思っています。



今後の展望について


弊社でお送りさせて頂いているひとつひとつの製菓材料やカカオ関連商品。また、今後ラインナップに加えて行く予定のコーヒー、キヌア、オーガニックのフルーツジャム等、七方よしがすこしでも実現するよう、取り組んで行く所存でございます。

お客様に美味しく、安全な食べ物を愉しんでいただきながら、農家さんたちの生活の豊かになり、自然環境にとって負荷を出来るだけ掛けず、もしくは負荷を全く掛けずに、自然がほんの少しずつでも回復しながら経済活動が出来る七方よしを理想と会社理念とし「佳きものをはこぶ」ことを今後も続けて参りたいと思います。


こうした小さな新しい経済活動が、いつしか大きな流れに繋がることを願いながら。



まとめ


長くなってしまいましたが、最後までお読み頂きありがとうございました!!(涙)


七方よしは今を生きる私たちが未来に向けておこなう新しいあり方で、地球全体を見ながら好循環を生み出すためにEarth To Bar(記事:アーストゥーバー(Earth to bar)とは?)を作り出し、農家への技術指導を続け、前のことに一生懸命に取り組むことということでした。これからも七方よしの考え方を実践しつつ普及させていきたいと思っております。





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