インスタライブwithさつたにかなこさん「一緒に南米を旅しよう!」


Noel Verde(ノエルベルデ)の高橋力榮です。2021年6月20日(日)に、チョコレートソムリエのさつたにかなこさんとインスタライブを行いました。ライブの内容を一部抜粋してお届けいたします。ぜひお楽しみくださいませ。



さつたにかなこさん(トモエサヴール代表)


さつたにかなこさんは、チョコレート業界で知らない人はいない有名な方です。世界中を飛び回り、チョコレートの楽しい食べ方楽しみ方を紹介されております。2007年よりチョコレートを楽しむイベントを始められ、2013年より輸入、コンサルティング、イベント主催、執筆等幅広く活動中です。International Chocolate Awards(以降、ICA)の審査員もされており、チョコレートソムリエとしても有名な方です。

公式HP

https://t-sav.com/


高橋力榮についてはこちらのページをご覧くださいませ。

https://www.noelverde.com/about



インスタライブ 「一緒に南米を旅しよう!」


さつたにさんの話の部分は”さつたに”と敬称略して記載させていただき、高橋力榮は”りっきー”と記載させていただきます。インスタライブの様子をお楽しみくださいませ。



ライブのきっかけはハンバーガー!?

りっきー:それでは本日はよろしくお願いいたします!さつたにさんは今日はどんな1日を過されましたでしょうか?


さつたに:よろしくお願いします!今日は出張から帰ってきた日でした。


りっきー:お忙しいところ、本当にありがとうございます。


りっきー:今回、インスタライブをさせていただいたきっかけというのは、さつたにさんと以前お話しさせていただいた際、「南米は文明のハンバーガーのようですよね」という表現をされており、その言葉にものすごく感銘を受けて、もっと話を聞いて見たいと思ったからなんです。

さつたに:ペルーでツアー案内してくださった方がインカ文明など歴史の話をしたときに、ペルーの歴史はハンバーガーのようだと教えてくれたんです。インカ文明と聞くと古い感じがしますが、日本だと室町時代のあたりなんですよね。 インカ文明の下に、各地で生まれた文明が具材のようになっていて、一番下には、チャビン文化(日本だと縄文時代のころ)がバンズのように。地形が海岸側とアンデス側があり、さらに南北があり、エリアによって違う文明が発達したので、具材のようにいろいろあって、まさにバーガーという感じだったんですよね。



南米と日本人の深い関わり


りっきー:エクアドルはアンデス側ですね。チャビン文化は日本の縄文時代にあたる頃ですが、日本と深く関わりがあるようです。バルディア文化には縄文土器と同じような紋様の土器があるようで、宮崎から南米に来たのではないかという説もあります。 私は個人的に、日本人と南米文明のハンバーガーの層に関わりがあるのではないかと感じてます。日本とペルーの共通点のようなものってありますか? さつたに:私は北海道育ちでしたので、アイヌの方との交流があったんです。アイヌの方々が持っている紋様が、ペルーでも同じような紋様があって共通点を感じましたね。感覚的にペルーの方々と繋がっているように感じました。

りっきー:南米に来ると、ホームに来た感覚があるんですよね(笑)

さつたに:衣装を変えたら、そこまで違和感がないですよね(笑)

りっきー:実はエクアドルの赤ちゃんには蒙古斑があるんですよ。これ調べてみると日本人と同じDNAがあるということだそうです。ペルーの方はどうなんでしょうか? さつたに:ペルーの赤ちゃんを見たことないので、今度見てみます(笑)


りっきー:言葉の発音も日本語と近いものを感じます。例えば「バンバ」というのは平地という意味で、とてもわかりやすい音なんですよね。 さつたに:チュンチョというカカオが取れるところがちょうど、キアバンバというところなんですよ。



さつたにさんとカントゥの出会い

りっきー:カントゥのチュンチョ70%をいただきました。とても美味しかったです。初めにシガーの香りがして、複雑な酸と柑橘の香りが最後にかけて出てきて、素晴らしいカカオでした。ぜひ、カントゥについてお話をお願いいたします! さつたに:カントゥはカナダのモントリオールにチョコレート工房があります。エルフィさんはペルーの方でマキシムさんはカナダの方。ご結婚されてカナダでチョコレートを作っています。使ってるのはペルーのカカオで、直接カカオ農家からもらって作っています。エルフィさんとはカントゥを作る前から一緒にペルーを旅した仲で思い入れがあります。

りっきー:カントゥにグランブランコがあります。最古のカカオが見つかったという遺跡から国境を跨ぐ辺りに、グラン・ナティーボという半分中身が白いホワイトカカがありますが、グランブランコと何か関わりがあるのでしょうか? さつたに:彼女たちのグランブランコはペルー北部・ピウラ地方のケマゾンというところのカカオを使っています。素晴らしいものには、”グラン”という言葉をつけています。現地でもともと生えているもので種の中が白いものをグランブランコと呼んでいていて使っているんですよ。 りっきー:古代の品種ですよね。アマゾンの奥地で見つけた古代品種を育てようとしましたが、なかなか培養が難しかったです。

さつたに:場所はどの辺で見つけたのですか? りっきー:オリエンテという場所です。アリバ種でもカカオポッドの形質でも色々と異なっているんです。高温多湿のところと乾燥地帯でも大きく異なっていて、テノワールが大きく違ってくるんですよね。



南米の朝ごはんを感じるチョコレート

りっきー:弊社(ノエルベルデ)のチョコレートはお召し上がりいだき、いかがでしたでしょうか?

さつたにリオ・エスメラルダス 65%パッハリート 70%チョネ 70%の3種類をまずはいただきました。


さつたに:エクアドルのカカオのイメージって白いお花のような香りがあって、ナッティという感じがしますが、それを一番感じたのはリオ・エスメラルダスでした。油脂が柔らかい感じがしました。ココナッツやお花のような味と爽やかな酸味がありました。

さつたに:パッハリートは、ウッディや大地、土のようなイメージがあって、ゴボウのような香り、後からフルーツのような酸、フルーツの皮のような酸を感じましたね。


さつたに:チョネはバナナや桃のフルーツジュースのような感じ。ミルクも入れたミックスジュースのよう。焙煎の香ばしさもありました。どれも食べやすかったです。


りっきー:素敵な感想を本当にありがとうございます。



さつたにニコフ+酒粕パウダーってとても良いですよね。カカオのフレーバーがこんな味わいなのか、と思うほどとても一体感がありました。面白いタブレットでした。 りっきー:ニコフというカカオはフォラステロ種の改良品種です。フルーティーな仕上がりにしておりまして、日本酒自体もフルーティーなので、この2つはきっと合うと思いました。

さつたにアノーナ+バナナは南米の朝ごはんを感じさせてくれました。早く南米に行きたいなと思いながらいただきました。 りっきー:確かにそうかもしれません(笑) 私、もともとバナナ農園技術者だったので、どうしてもバナナを入れたかったんです。ただ、バナナを入れると全体の味を持っていかれてしまうので、フライバナナを入れた方がバナナの味わいが別の形で現れるのではないかと、色々とテストしました。たくさんの貴重なご意見、ご感想をありがとうございました!


さつたに:テイスティングは何回もして味を理解した!と思う時まで行っていますが、今回はまだそこまで行えていないので、現時点での私の印象をお伝えしました。



テイスティングの練習は飛行機で!?


りっきー:テイスティングについても少し伺いたいと思います。その日の体調によって味が変わるということもありますよね?

さつたに:24時間いつも味覚は揺らいでいますし、その時の状態でも変わるし、食べる順番によっても変わりますね。なので、何回も食べることが大事ですよね。 りっきー:空気によっても味わいが変わると聞いたことがあります。高山や森などでも味わいが変わることもあるんですよね。 さつたに:高度で味わいが変わることは実際あるので、飛行機の上などで食べる訓練などもしました(笑) りっきー:食べたときの全ての総体が味わいに繋がっているんですね。

さつたに:いろんなものを食べるよりも、同じものを何回も食べ続けることが大事で、自転車と同じだと思うんですよね。乗れた時は補助輪が外れるように、一度「わかった!」と思えた後は、ブラインドテイスティングでもわかるようになると思います。



インターナショナルチョコレートアワード(ICA)について


りっきー:ICAについてもお話しさせてください。ICAで日本人として審査員をされているさつたにさんに、舞台の裏側などもしありましたらお話を伺えたらと思います。


さつたに:はい。もちろんです。2014年からICAの審査員をしています。審査は去年も今年もリモートで行われました。通常は各エリアで期間が決められいて開催されています。90分1ラウンドで一皿に5種類くらいのチョコレートのサンプルが載っていまして、それぞれのチョコレートに番号がついています。シングルオリジンなら国と地区、パーセンテージなどが記載されています。テイスティングして審査項目ごとにレートをつけて一般審査を行います。90分タームで5種類の皿を5〜6皿くらいテイスティングします。休憩後、次のラウンドという感じです。味覚がそこまで続かないこともあるので1タームのみ審査という方もいます。


さつたに:年々、サンプル数が増えていくので大変ですね(笑) エントリー数が多いのでエリアの細分化が行われていて、2021年の現時点で11箇所のエリアがあります。一般審査で高レートがついたチョコレートが最終審査に移り、そこで金銀などを審査していく流れになります。受賞したチョコレートは世界大会に進みます。2020年・2021年は新型コロナの影響で、通常は1年かけて秋10月に世界大会なのですが、フェーズ1フェーズ2という形に分かれて、ファイナルになっていました。セレモニーは4時間と長くて、へろへろ状態でした(笑

りっきー:大変であったかと思います。本当にお疲れ様でした。レートの項目はどのようなものあるのでしょうか?

さつたに:カテゴリーによって異なりますね。テクスチャーや風味など、独創性のあるものかなど。項目についてはオープンになっていますので、ジャッジングシステム自体はどなたでも見ることができます。


りっきー:ありがとうございます。拝見いたします。



ICA審査員になるには?


さつたに:ICAは2012年から開催されていますが、2012年と2013年はカカオハンターズの小方真弓さんが審査員をされていました。ブランドを立ち上げてからは審査員をされていません。現在、日本在住の日本人での審査員は私だけかもしれません。


りっきー:どうしたら審査員になれるのでしょうか?


さつたに:審査員は基本的にボランティアなんです。誰でもなろうと思えばなれると思います。IICCPの講座を受けていれば一般審査をすることはできると思います。


りっきー:審査員だった小方真弓さんとは交流はあったのでしょうか?


さつたに:小方さんから教えていただいたことがたくさんありました。2013年に阪急百貨店でタブレットミュージアムの立ち上げメンバーに入っており、その時に小方さんに出店いただきたいと思っていて、ちょうどカカオハンターズのチョコレートタブレットができたころでした。サンプルでしたが、とても美味しかったんです。当時、仲間たちがマルゥに会いに行けと言われて会いにいったり、いろんな方を紹介いただいたり、チョコレートを販売することとは何か?というディベートもしました。



日本に美味しいチョコレートを伝えたい


さつたに:英語も初めは「This is a pen」程度だったんですが、がんばって理解できるようにしていきました。良いチョコレートを日本に紹介したい気持ちから、ICAの審査員として活動をし始めたんです。初めてチョコレートに出会った人がチョコレートに興味を持ってもらうためにも、私が世界で認められているチョコレートを理解することが大事だと思いました。消費者代表という気持ちで参加しています。カカオの特徴を理解するには、本とか勉強とかではなく、数稽古状態で体感で行うようにしています。でも、このあたりは高橋さんの方がすごい感じがします。


りっきー:カカオ豆に関してはエクアドルの国中を巡っていて、おもしろい世界を味わっています。農業関係出身なので、土壌の状態を見るように心がけています。そして、カカオが育ち、実り、発酵、乾燥、焙煎してチョコレートにしていくという工程にワインと同じような世界観を感じております。今、カカオに関わるようになって3年くらいなのですが、楽しくやらさせていただいております。



さつたに:チョコレートも高橋さんが作っていらっしゃるのですか?


りっきー:現地のビジネスパートナーと一緒にやっております。パートナーがベースを作り、私がテイスティングして、角を取りたいとか砂糖量の調整などを行なっており、日本人の味覚に合うように作っております。


さつたに:エクアドルのチョコレートをよくいただくのですが、食べにくいチョコレートが多い印象があります。しかし、ノエルベルデのチョコレートはとても食べやすかったです。日本人の高橋さんだからこそ、この美味しさが実現できてるんだと思いました。


りっきー:南米の方々は酸味のあるチョコレートを好むんですよね。また、唐辛子のような辛いチョコレートに好みの傾向があります。民族ごとに好まれる味わいがあると考えております。やはり私は日本人向けの味を作りたいと思っています。


さつたに:各国の方々の味わいと日本人の好みの味わいはやはり違うと思うことが審査しているときによくありました(笑)


りっきー:よくわかります(笑)



カカオの価値を伝えることの大切さ


さつたに:高橋さんのような存在がエクアドルにとって、とても重要な存在だと思います。ケアバンバのホテルに泊まった時に、朝ごはんでチュンチョのホットチョコレートのドリンクをよく飲むのですが、ホテルの支配人がなんでそんなものを飲むんだ?と驚かれます。なぜなら、足の裏の匂いがするからなのでそうです(笑)


さつたに:本人たちはそんなすごいカカオだと思っていなかったんですよね。もともとコモディティ的なカカオで、カカオバターだけの役割でしたから。名もなきカカオだったんですが、名前をちゃんとつけて扱うようになって、プレミアがついて需要と供給が逆転したんです。外からこのカカオはすごいよって伝えることで、本人たちに気づいてもらうことが大切だと感じています。


りっきー:現地のカカオ豆が他の方に知られず、価値を知られず、他の国の方々が価値を感じ、私も農家さんたちの活動を活性化させるのにつながるという活動をしています。今の話で2つよくわかることがありました。ひとつは価値を伝えることと、もうひとつは足の裏の匂いがするというところです(笑)


さつたに:そこですか(笑)


りっきー:実際、匂いがしているのはハスクの部分なんですよね。中はまったくそんな匂いはしないんです。チョコレート自体ももちろん匂いはしないんですよね。視聴者の皆様、足の匂いはしないので、大丈夫です(笑)


りっきー:こういった価値を伝える活動が今後、本当に大事ですよね。国と国の農産物を知ることで新しい評価をされることで、価値が認められて流通していくこと。それは私たちの使命でもあるのかなと感じています。さつたにさんのお話を伺って私も励まされ、がんばろうという気持ちになりました。



さつたに:現地に行くと、農家さんって長期的ではなく短期的にものを見る傾向があるので、長期的な考え方を変えてもらうことは難しいんですよね。だからこそ、現地で一緒に体を動かしたり、一緒にやってたり、仕事の面白さを共有することで、彼らの希望になると思っています。そこに行くためには自分も知らないといけないし、いろんなことをやっていかないといけないなと思っています。もっとチョコレートを売らないとなと思ったり、価格は高いだろうなとか考えたりしていると、せめぎ合いです(笑)


りっきー:わかります(笑) コストとのバランスですよね。チョコレートを取り扱っている私たちの責任と、農家さんの教育と、サプライチェーンの全体像をどのように品質を上げていき、国際的な競争力をつけていくかが大事だと感じております。実際、レイズトレードという方式(記事:レイズトレードとは?)をとっており、一緒に育っていくことをキーワードに活動をしております。農家さんと接してると、那須高原を思い出すこともあります。



(ライブ中、コメント欄に足の匂いに関するコメントがたくさん流れる)


さつたに:みなさん、足の匂いに反応されていますね(笑)


りっきー:そうですね(笑) チョコレートは足の裏の匂いはしません。良い発酵の匂いですよ。


りっきー:さつたにさんは今年、新しい試みなどありますでしょうか?


さつたに:いろいろやっています。まだ完成していないので言えないことではあるのですが、今は日本のことを勉強するようにしています。日本に長く住んでいますがまだ発見できていない魅力があるので、チョコレートを通じて再発見できるようにして行けたら良いなと思っています。また、テイスティング方法はnote(さつたにさんのnote)にも書いていますので、ぜひどうぞ!


りっきー:本日はありがとうございました!


さつたに:こちらこそありがとうございました!エクアドル にも行きたいと思います!


りっきー:エクアドルでお待ちしております。ありがとうございました。



最後に


私自身、とても楽しく興味深かったのと同時にたくさんの共感があった、さつたにさんとのトークライブとなりました。さつたにさんはとても知的で好奇心が強く、美味しいチョコレートを日本のみなさまにお届けしたいという強い情熱と責任感、深いチョコレート愛があり、その一連の流れにしっかり行動が伴ってらっしゃる稀有な存在の方、という印象をうけました。


また、違う角度のお話でトークライブをさせていただきたいなと思いました。


今後もいろいろな方とインスタライブを行なっていきますので、下記ボタンからフォローしておいてくださいね!